長い歴史がある春節
春節は中国において、先祖を祭る清明節、日本でもよく知られる端午の節句や中秋節と並ぶ大切なおまつりです。その歴史は長く、一説によると今から4000年以上前(紀元前2000年ごろ)にはすでに春節を祝う習慣があったとされています。
伝統的な意味での春節は、中国暦の12月8日あるいは12月23日から1月15日(元宵節)までの期間のことを指し、その中で1月1日は、はじまり意味する「元」と日の出を表す「旦」を組み合わせ、「元旦」と名付けられました。中国が新暦(グレゴリオ暦)を用いるようになったあと元旦は新暦の1月1日になり、中国暦の1月1日は春節と定められました。
日本にもある春節の習慣
家族が団欒し、ともに新年の訪れを祝う春節。そこにはたくさんの行事があります。例えば、爆竹を鳴らしたり、獅子舞や龍の舞など、非常に華やかで賑やかです。中国と日本は遣隋使と遣唐使などを通じての交流があったため、春節の習慣には日本の方にもなじみ深いものが多いようです。
1.掃除
紀元前230年代に完成した『呂氏春秋』の記載によれば、中国では4000年以上前から春節時に大掃除を行う習慣があったといいます。部屋の汚れとともに行く年であった悪運も一緒に払います。
2.拝年
お世話になった方や親戚の年長者に行う新年の挨拶回りを行います。
3.お年玉(压岁钱)
年長者からのお祝いとして、赤い袋に入れて送られます。そのため、紅包(ホンバオ)と呼ばれています。稀に孝行の証として、年長者に送る場合もあります。
4.服装
新年には新しい服を着るのが良いとされ、こだわりのある地域ではめでたい赤色の服などを着用します。
5.食べ物
春節期間に餃子、湯団、お餅などをよく食べます。また大晦日では各地に暮らす家族が一同に集まり、食事をする風習もあります。そのためか、毎年春節時の中国では日本と同じように大規模な帰省ラッシュが起こります。他には、年年有余(毎年余りがありますように)という意味を込めて、余(yu)と同音語の魚(yu)を食べたりしています。
6.飾り物
春節期間では、福の字、めでたい絵柄の年画、韻を踏んだ対になった句を書き記した春聯などを飾り、新年の到来を迎えています。
このように、日本の正月と中国の春節は似通った点がいくつもあります。
「中国春節祭in大阪天王寺」を通して旧正月に日本を訪れる中国人やアジア諸国の人々に中国の旧正月の華やかな雰囲気を味わっていただき、そして地元大阪市民の皆様や大阪を訪れる皆様に中国春節の素晴らしいお祭りを体験してもらうことで、中国文化に対する理解を深めていければと思います。